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共通リスクと固有リスク
今日は、ちょっとクオンツ的な視点でマーケット分析のさわりをします。
リスクは2種類に分けることができます。共通リスクと固有リスクです。 これだけでは何のことか分からないと思いますが、
共通リスク:分散投資で消去できないリスク 固有リスク:分散投資で消去できるリスク
という意味です。
株式市場の分析ではよく言われていることです。
たとえば、 国内の株式でポートフォリオを組んだときに、いくら分散投資をしても現在のように国内株式が大幅に下落すれば、そのポートフォリオが下落するリスクを消去することはできません。 (ショートポジションは無しの場合です。)
つまり、国内株式には共通するリスクがあり、そのリスクの顕在化によって国内の個別株は同時に下落したと考えるのです。
個別リスクとは、今回のチャイナ産のギョーザ騒ぎでJT株の大幅下落のように、その企業や銘柄の固有の理由により発生するリスクです。
JT株が下落したからといってそれが原因でNTTも下落するわけではありません。 つまり、個々の株式に固有なリスクは他の株式の固有リスクに影響を与えないので、分散投資による効果が強く働きます。
通貨についてもこの考え方が役立ちます。 通貨取引には共通するリスクと固有のリスクが存在するのでは、と考えてみるのです。
今回の通貨の動きを見ていると、高金利通貨は共通のリスクがあると仮定することは、無理がないように思われます。
因子分析などの統計手法を使うことにより、この仮定を検証することができます。簡単に分析したところ、細かいことは省略しますが、通貨の変動には金利差要因と言えるような共通リスクがあると言えそうです。
共通リスクが存在した場合には、気をつけなければいけないことがあります。
・共通リスクは、どんなに分散投資をしても低減する事はできない。 (分散すれば良いってもんじゃない。)
・共通リスクは、突然、顕在化することがあり、そのような相場状況ではリスクコントロールが非常に困難になる。 (表面だけ見て、分散したつもりで投資すると、あとでとんでもない目に逢う。)
今回の通貨の変動で、スワップ利回りの大きな通貨は下落が大きかったのは、金利差の共通リスクが顕在化したからと考えられます。
共通リスクが増大した場合の特徴としては、個別銘柄のリスクの増大と銘柄間の相関係数の高まりが観察されます。ボラティリティの増加と相関係数
共通リスクは、金利差以外にも地理的なものもありますし、国の格付けもあります、他にも考えられるでしょう。 (異なる共通リスクの組み合わせをコントロールして、共通リスクを低減させる多少上級の戦略もあります。)
ちょっと余談ですが、 今回の米国のサブプライム問題も固有リスクの分散だけをして共通リスクを(意図的に?)分散しなかった(考慮しなかった)のが原因とみることもできます。
サブプライムの固有リスクとは、個々の債務者が支払い不能になるリスク、共通リスクは景気後退などにより住宅価格が全体的に下落するリスクです。
投資対象がどのようなものでも、分散投資によるリスクコントロールを行う場合
隠れた共通リスクはないのだろうか?
と考えた上で投資することが大切です。 このトラップにはプロでも良く引っかかります。
共通リスクとリスクプレミアムの関連などの話もあるのですが、興味のある人は投資理論を勉強してみるのもいいかもしれません。
なにも、分散効果だけが投資理論ではありません。もっと面白いですよ。
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テーマ:FX(外国為替証拠金取引) - ジャンル:株式・投資・マネー
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